SEOを意識したオウンドメディアにするために必要な対策とポイントとは

SEOを意識したオウンドメディアにするために必要な対策とポイントとは?

SEO(検索エンジン最適化)は、自社のオウンドメディアをより多くのユーザーに見てもらうための重要な要素です。しかし、多くの企業がメディアを展開している中、SEO対策で高い成果を出すのは簡単なことではありません。そこで本記事では、オウンドメディアでSEO対策をするにあたって大切なポイントを分かりやすく解説します。

SEOを意識したオウンドメディアが求められる背景

SEOの重要性を理解するためには、一般的なインターネットユーザーがどのように情報を検索しているか考えてみることが大切です。何か調べたい情報があったとき、基本的にユーザーはその調べたい語句をGoogleなどの検索エンジンに入力して情報を探します。そして大抵の場合は、検索エンジンで上位表示されているいくつかのWebページを見るだけで満足し、それ以外のページを見ることはありません。

つまり、多くのユーザーを自社のオウンドメディアにアクセスさせるためには、ユーザーが検索をかける語句を特定し、その検索結果に自社のWebページを上位表示させることが必要不可欠です。このSEO対策を行うことで、より多くのユーザーへ自社のメディアを訴求し、最終的に自社の事業や商品・サービスへの関心と結びつけていけます。とはいえ、近年ではどのメディアもSEO対策の重要性を認識しており、検索結果で上位表示させるための競争は激化しています。

しかも、検索エンジンのアルゴリズムは近年複雑さを増しており、表面的なキーワードだけで判定するのではなく、ユーザーの検索意図やコンテンツの質も重視されるようになっています。たとえばGoogleの場合、医療系のコンテンツに関しては、医療関係者などの有識者が執筆・監修している記事を優先的に上位表示させる仕組みになっています。

また、SNSやキュレーションメディアが多様化している中では、それぞれのプラットフォームに最適化したコンテンツ作りが求められています。スマートフォンユーザーが増えている中で、スマートフォンで表示・操作するのに適したモバイルコンテンツの需要が増している点も見逃せません。

このように、近年のSEO対策はより複雑かつ高度な戦略を要するようになっているため、曖昧な認識でオウンドメディアを運営していても、効率的に成果を出していくのは難しいです。そのため、検索エンジンのアルゴリズムやユーザーのニーズなどを継続的にリサーチしながらSEO対策をする必要性が増しています。

オウンドメディアに必要な3つのSEO対策

オウンドメディアで成果を上げるために、企業は具体的にどのようなSEO対策を行うべきなのでしょうか。ここで理解しておきたいのが、SEO対策は「テクニカルSEO(内部SEO)」、「コンテンツSEO」、「外部SEO」という3つの側面に分けて考えられることです。

それぞれの違いを把握しておくことで、SEO対策を体系的に考えたり、既存の対策で不十分な部分を明確にしたりしやすくなります。そこで以下では、SEO対策の3つの側面について、それぞれの概要を解説します。

テクニカルSEO(内部SEO)

テクニカルSEOとは、検索エンジンの検索アルゴリズムへ技術的(テクニカル)に対応することを主軸にしたSEO対策です。その目的を果たすためにはWebサイトの技術的な内部構造を整備する必要があるため、内部SEOと呼ぶこともあります。

テクニカルSEOの目的は、Webサイトが検索エンジンに「クロール(情報収集)」されやすくすることです。いくらユーザーにとって有益なコンテンツを作っても、そもそも検索エンジンに表示してもらわなくては多くのユーザーに届けることはできません。そのため、検索エンジンがクロールにおいて重視する要素を的確に満たしていくことが重要になってきます。特にECや求人、不動産など、コンテンツの伝え方より情報量がより強く求められるWebサイトはテクニカルSEOを重視すべきです。

コンテンツSEO

コンテンツSEOとは、「ユーザー」をターゲットとして良質なコンテンツを継続的に発信し続けるSEO対策のことです。以前はSEO対策と言えば、ほとんどテクニカルSEOを指すのが一般的でした。しかしその結果、検索エンジンに反応されやすいキーワードを無理やり詰め込んだ不自然な記事やコピーコンテンツが大量発生するなど、ユーザー体験を著しく損なう状況になってしまっていました。

こうした反省を踏まえて強化された現在の検索アルゴリズムは、そうした質の悪いWebページを排除し、ユーザーに与える価値の大きなコンテンツが検索上位へ優先的に表示されるようになっています。そのため、コンテンツSEOでは、ユーザーの興味やニーズに合わせたコンテンツを作ることに焦点が当てられるのが特徴です。ユーザーにとって真に役立つ情報が豊富にそろっているWebサイトは、検索アルゴリズムの変化による悪影響を受けにくく、安定した集客効果を得やすいという強みも持っています。ブログやコーポレートサイトなど、テキストで情報発信するようなサイトが、特にコンテンツSEOを重視すべきジャンルです。

外部SEO

外部SEOとは、他のWebサイトやSNSなどにリンクを貼ってもらうことを通して検索エンジンの上位評価を得ようとするSEO対策です。たとえば、Yahoo!などのニュースメディアで、「どこそこの企業が新商品を発表した/ある調査結果を発表した」などの記事とともに、その商品ページや調査報告ページへの外部リンクが貼られているのを目にしたことはないでしょうか。

他の信頼性の高いサイトからのリンクは「バックリンク」と呼ばれ、その数や質が高いほど検索エンジンはそのサイトを信頼性が高いと評価します。つまり、有名なニュースサイトや業界の権威あるブログなどからリンクを得ることは、検索エンジンの上位表示に結びつく要素だということです。そのため外部SEOでは、他のメディアや媒体で話題にしてもらいやすくなるように広報面やコンテンツ面などから戦略を練ります。

このように、SEO対策はその注目ポイントによって、テクニカルSEOとコンテンツSEOそして外部SEOの3つに分けられます。ただし、これらのSEO対策は実際には相互に影響しあっている部分もあるので、SEO対策をする際は、どの面も軽視することがないように注意しましょう。

テクニカルSEO対策のポイント

ここからは、3種類のSEO対策で重要となるポイントについて個別に解説していきます。まず紹介するのは、テクニカルSEOにおける具体的な対策です。

重複コンテンツを避ける

コンテンツSEOについて解説した際に触れたように、現在の検索エンジンはコピーコンテンツ(重複コンテンツ)を判別して、検索エンジンの上位から排除します。そのため、テクニカルSEOにおいては、第一にWeb上に同一または非常に類似した内容のページが存在しないか確認するようにしましょう。

具体的には、定期的にキーワードを検索したり、コピペチェックツールを利用したりして、自社サイトのコンテンツが他のサイトに類似していないか、もしくは複製されていないかをチェックすることが重要です。

サイトの階層構造を最適化する

サイトの階層構造とは、Webサイト内の各ページがどのように関連し、組織化されているかを示すものです。たとえば、電化製品を扱うECの場合、最上層にはトップページ、次の階層には「パソコン」「カメラ」「スマートフォン」などのカテゴリーページ、その下の階層に各製品の詳細ページがあるという形が考えられます。

このようにサイト階層構造を整理することは、検索エンジンが各ページの内容とその関連性を正確に把握するために大切な要素です。ただし、検索エンジンは階層構造の上層にあるページほど優先的にキャッチするので、重要な情報は階層を深くしすぎず、検索エンジンが簡単にアクセスできるように配置することがポイントになります。

また、サイト階層構造の最適化はユーザーフレンドリーなWebサイトを作るためにも欠かせません。たとえば、「パソコン」カテゴリから「ノートパソコン」の詳細ページへとスムーズに移動できると、ユーザーは欲しい情報に短時間で到達し、購入につながりやすくなります。

記事に内部リンクを設置する

内部リンクとは、Webサイト内の別ページへのリンクを指します。内部リンクを適切に配置することは、検索エンジンがそのサイトにある各ページを見つけやすくするために重要です。

また、内部リンクはWebサイト内でユーザーを案内する役割も果たすので、ユーザー体験を向上させるためにも重要です。たとえば、「顧客管理システムとは何か」という解説記事に、関連記事として「おすすめの顧客管理システム10選」という内部リンクを設置すれば、ユーザーはスムーズに必要な知識を深めていけます。このように効果的に内部リンクを使うことは、ユーザーが自社サイトから離脱することを防ぐためにも欠かせません。

XMLサイトマップを作成して登録する

XMLサイトマップとは、Webサイト上に存在する全てのページのURLをリスト化したものです。検索エンジンはこのXMLサイトマップを参照して、サイト内にどのようなページが存在するのかを理解します。

したがって、XMLサイトマップを作成し、検索エンジンに登録することで、自社のWebサイト全体が適切にインデックスされる可能性が高まります。

コンテンツSEO対策のポイント

続いてはコンテンツSEOでのポイントです。ここでは、ユーザーに刺さる質の高いコンテンツ作りを可能にする取り組みが重要になります。

コンテンツ制作に向けて体制を整える

コンテンツSEOを強化するには、良質なコンテンツを継続的に作り続けることが不可欠です。それを達成するためには、人材、時間、予算などコンテンツ制作に必要なリソースを確保することが第一に必要となります。

人材面としては、専門的な知識を持ったライターやデザイナー、SEOスペシャリストなどをそろえることが重要です。もし社内に人材やノウハウがなければ外部の人材や制作会社に委託する手もあります。

キーワード調査・キーワード設計を行う

SEO対策の要となるのがキーワード選定です。しかし、ただ人気のあるキーワードを選ぶだけではなく、そのキーワードが自社のオウンドメディアとユーザーのニーズに適合していることが重要です。

実際、一般的に人気のあるキーワードは競争が激しく、大手サイトに埋もれやすい面があります。そのため、たとえば「パソコン」ではなく、「ゲーミングパソコン 初心者向け」をキーワードにするなど、多少検索ボリュームは小さくても、特定のユーザーを強く訴求するキーワードを組みあわせて使うのも戦略のひとつです。そうすることで、検索結果で上位表示を取りやすくなり、最終的にはより高いクリック率やCV率を得ることが期待できます。

1次情報を使用してオリジナリティを盛り込む

他サイトと差別化を図るためには、上位サイトの傾向を追うだけでなく、独自の1次情報を利用することが重要です。これは、自社で収集・生成した独自のデータや情報を指します。これにより、自社の知見や視点を反映したユニークなコンテンツを提供することが可能です。

たとえば、自社の商品や業界に関する独自の調査結果、自社の製品を使用したユーザーの事例やフィードバックなどを記事にすると、他のサイトでは見られない情報を提供できます。これらの情報は検索エンジンからの評価だけでなく、ユーザーからの信頼性やリピート率の向上にもつながり、結果としてアクセス数の増加やビジネスの成長を促進可能です。

外部SEO対策のポイント

最後に、外部SEOのポイントを紹介します。各種媒体を効率的に活用してユーザーの継続的な流入を促しましょう。

SNSでの拡散を意識したコンテンツを作る

SNSを活用したコンテンツ拡散は、効果的な外部SEOです。特に、自社で得た調査結果や共感を誘うコンテンツ、タイムリーな情報などはSNSで広くシェアされることが期待できます。

また、視覚的に訴求力のある画像を使った解説や、自社商品の有益な情報を発信するようなコンテンツも、多くのユーザーに読まれる可能性が高いです。さらに、ユーザーが自然にシェアしたいと思うような、感動を呼ぶストーリーや業界の最新動向についての洞察など、ユーザーの興味を引く内容を考えることが重要です。

プレスリリースを配信する

新商品や新サービスの発表、経営方針の変更、社会問題への取り組みなど、自社の新たな動きをプレスリリースとして配信することで、他のメディアで取り上げられやすくなります。これは外部からのリンクを増やす有効な手段であり、外部SEOの基本的な手法です。

さらに、プレスリリースは企業の公式見解やポジションを示す重要な機会でもあります。そのため、その内容と発信タイミングを丁寧に計画することで、自社のブランドイメージを高める効果も期待できます。

検索意図を考えた良質なコンテンツ制作を継続する

上位サイトのタイトルやコンテンツ内容をリサーチし、ユーザーの検索意図を考慮したコンテンツを制作することは、SEO対策の基本中の基本です。また、一度の成果だけでなく、継続的に良質なコンテンツを生み出すことで、Webサイトの評価を長期的に高められます。

そのためには、一貫したコンテンツ戦略が必要です。定期的にユーザーの反応や検索トレンドを調査し、それらのデータに基づいてコンテンツ計画を見直しながら根気強く最適化していくことが重要です。

オウンドメディアのSEO対策には効果測定が重要!見るべき指標は?

オウンドメディアのSEO対策に取り組む際は、定期的に施策の効果測定を繰り返して、試行錯誤していかなければなりません。ただし、その際に重視すべき評価指標は、対象となるオウンドメディアの成熟度によって変わっていくことに注意が必要です。そこで以下では、各時期に応じた注目指標を紹介します。

【立ち上げ期】PV・UU・セッション数など

サイトの立ち上げ期は、とにかくユーザーを自社メディアへ流入させるための施策が優先課題となります。したがって、ここで重視すべき指標は、Webページの閲覧数(PV)や訪問者数(UU)、訪問回数(セッション数)など、自社サイトへ流入するトラフィックを測定するための指標です。これらの指標は、自社メディアがどれだけのユーザーに訴求できているかを示しています。これらの指標に応じて、コンテンツの内容やSEOキーワードの設定などを調整することが重要です。

【運用中期】直帰率・回遊率など

運用中期には、サイト訪問者を見込み顧客につなげていくことが目標になります。そのためには、ユーザーを自社メディアに強く惹きつけることが必要です。ここで役立つ指標としては、直帰率や回遊率、滞在時間、読了率など、ユーザーのサイト内行動を把握する指標が挙げられます。これらの指標を通じて、ユーザーがどれだけサイト内を見て回り、記事閲覧などをしているか評価可能です。

この段階では、ユーザビリティの向上を図ることが重要になります。たとえば、内部リンクを設置して充実してきたコンテンツを相互に関連づけ、ユーザーが求める情報へのアクセス性を高めることなどがその具体例です。

【運用後期】問い合わせ数・CV数など

運用後期では、商品・サービスの購入や会員登録など、オウンドメディアをビジネス上の具体的な成果につなげていくことが求められます。そのために参照すべき評価指標はコンバージョン数(CV数)やコンバージョン率(CVR)、問い合わせ数などです。あるいは、CVと近い位置にある商品販売ページのPV数なども役立ちます。CVの伸び悩みには、商品購入ページの位置の分かりにくさ、入力フォームでの煩雑な手間など複数の要因が考えられるので、多角的な分析が必要です。

オウンドメディアのSEO対策に取り組む際には、時期に応じて注目すべき評価指標を変えながらPDCサイクルを回していくことが重要になります。効果測定の結果とその分析は、必ず次の施策へ活かして継続的なサイト改善へとつなげるようにしましょう。

まとめ

競合サイトとの競争激化や検索アルゴリズムの変化などを受けて、オウンドメディア運営におけるSEO対策の重要性はますます増しています。SEO対策を行う際にはテクニカルSEOとコンテンツSEO、そして外部SEOの3つの観点から施策を考え、時期に応じて適した評価指標を参照しながらPDCAサイクルを回していくことが大切です。本記事を参考に、ぜひオウンドメディアのSEO対策に取り組んでみてください。

この記事の執筆者

ナインメディア編集部

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