2023/09/13
SEO対策の費用相場は? 外注化のメリットや業者選びのポイントも
「SEOの費用は外注するといくらかかる?」「費用を把握した上で具体策を練りたい」と考える企業経営者や担当者は少なくありません。本記事では、サイトの上位表示対策に要する費用の相場や外注する場合のメリット、注意点、業者の選び方などについて解説します。
目次
【5つのケース別】SEO対策の費用相場
SEOの外注先は、SEO会社やコンサルティング会社などです。外注する際に生じる費用はさまざまで、依頼先や施策の内容、対策を行いたいサイトの規模などによって費用は大きく変わります。ここではSEOを外注する場合の費用相場をケース別に紹介します。
ケース1. SEOコンサルティング
SEOコンサルティングとは、SEOに関する豊富なノウハウを有するコンサルタントから、流入数やCV(コンバージョン。最終的な成果)増加につながるアドバイスを得られるサービスです。キーワードや競合の調査をはじめ、サイトの分析、コンテンツの企画などを行います。
コンテンツ作成支援やライティング支援などを、サービスとして提供している企業も少なくありません。コンテンツ作成に必要なキーワードの選定や指示書の作成、ライティング指導、添削などの作業が該当します。
費用相場は、月額10~50万円が目安です。サイトの規模が大きくなると、それに伴い費用が高くなる傾向があるため注意しましょう。場合によっては100万円、もしくはそれ以上の費用が発生することもあります。
なお、依頼する前には作業範囲や対象をきちんと確認しておきましょう。企業によって、作業領域や作業対象が異なるためです。
ケース2. SEOサイトの設計コンサルティング
新規サイトの立ち上げに伴うSEOコンサルティングのことです。サイト立ち上げの段階から、多くの流入を得るために詳細な設計を施します。既存サイトの改善ではないため、コンサルタントによるサイト診断などは行われません。
具体的な作業内容は、キーワードや競合の調査、アクセス・コンテンツ分析、コンテンツの企画、カテゴリーの構成などです。SEO効果の高いサイトを構築し、運用初期から多くの流入を狙いたい、たしかな成果を得たいと考えている企業におすすめのサービスです。
費用相場は、10~100万円程度になるケースが多く見受けられます。ただ、ページ数が膨大なサイトを立ち上げる場合には、その分作業量や手間が増えるため、100万円以上の費用が発生することも考えられます。
ケース3. コンテンツSEO
コンテンツSEOは、ユーザーの役に立つ有益なコンテンツを提供することで、検索エンジンから高く評価してもらうための手法です。Googleのアルゴリズムが大きく変化し、現在ではコンテンツの質が重要な評価対象となりました。キーワードを散りばめただけの低品質なコンテンツではなく、検索ユーザーの役に立つ、有益なコンテンツが高く評価されるようになっています。
コンテンツSEOの外注では、コンテンツ作成やライティングの支援をしてもらうケースがほとんどです。有益なコンテンツを作成するためのキーワード選定をはじめ、競合のリサーチ、記事の構成立案などが該当します。
ライティング支援は、タイトルや見出し、記事本文の作成を行ってくれるサービスです。ほかにも、記事をより読みやすくするための添削や修正、記事の正確性チェック、コンテンツに使用する写真の撮影などを行ってくれるところもあります。
費用相場は10~50万円ですが、何をしてもらうかによって大きく変化する点に注意しましょう。構成の作成や記事の修正、チェックなど作業ごとに細かく料金が設定されているケースがほとんどです。コンテンツの内容や記事を執筆してもらうライターのレベルによっても、費用は大きく変化します。
ケース4. 内部SEO対策
内部SEOとは、サイトの内部構造に施すSEOの施策です。内部SEOの大きな目的は、検索エンジンのクローラーにサイトの内容を正確に伝え、巡回を促すことです。どれほど素晴らしいコンテンツを掲載しているサイトであっても、内部SEOが適切に行われていないと、クローラーにサイトの内容を正しく伝えられず、正当な評価を受けられないおそれがあります。
具体的な施策には、前項のコンテンツSEOと同様、質の高いコンテンツ制作に関わる作業がふくまれます。それに加え、文章構造の明確化、サイトマップの作成と送信、内部リンクの最適化、SSLの適用など、内部SEOの施策は多岐にわたります。ほかにも、文字サイズを適切にする、モバイルファーストインデックス(モバイル版サイトを優先して評価する仕組み)に対応する、ページ速度の高速化を図るなど、ユーザビリティの担保につながる施策も必要です。
内部SEOの費用相場は幅があり、10~100万円です。作業内容によってその金額は大きく異なり、20万円程度に収まるケースもあります。あとでトラブルにならないよう、必ず事前に見積もりを提出してもらいましょう。
ケース5. 外部SEO対策
外部SEOとは、サイトの外部からの評価を上げるための施策です。サイトの内部構造を対象とする内部SEOとは異なり、外部SEOでは外部サイトに向けた施策を行います。具体的な施策には、被リンクを増やす、サイテーションを獲得するなどが挙げられます。
外部SEOにおけるメインの施策は、被リンクの獲得です。外部のサイトに自社サイトへのリンクを設置してもらうことで、Googleからの評価が高まります。ただ、いたずらに被リンクを増やせばよいわけではないため注意が必要です。Googleのアルゴリズムがアップデートされ、現在では直接的な被リンクの獲得は難しくなっています。いかに、外部サイトから「リンクしたい」と思ってもらえるようなコンテンツを作成できるかが重要です。
また、自社の名称や電話番号といった情報、商品について、ブログやSNS、他社サイトなどの媒体で言及される「サイテーション」も重きを置くべき施策です。SNSで情報を発信して認知度を向上させる、サイトやブランド名を分かりやすくするなどの施策が挙げられます。
費用相場は月額1~15万円程度で、成功報酬型の料金形態では100万円以上かかるケースもあるため注意が必要です。
番外編. SEO対策の内製化(インハウスSEO)
インハウスSEOとは、SEOを外注せず自社で対応することです。SEOに関する高度な知識と技術、ノウハウを有する人材が在籍しているのなら、SEOを内製化できる体制の構築は可能です。
インハウスSEOであれば、対策を外注せずに済むため費用を抑えられます。また、自社でPDCAサイクルを回しつつ取り組めば、効率よくSEOに取り組むことができ、サイトをどんどんブラッシュアップできます。一方で、担当者の知識レベルや技術力、ノウハウなどによってSEOの品質が大きく左右されるおそれがあるため、そこは注意しなくてはなりません。
内製化する場合の費用相場は、コンテンツ作成で2~5万円程度が目安です。これは、人件費を念頭に置いた計算で導き出しています。コンサルティングや内部・外部SEOは、実際の稼働時間や担当者の給与、間接費などから発生するコストの把握が可能です。
SEO対策の費用体系は主に3つ
SEOの費用体系は、月額固定型と成果報酬型、一括支払い型の3つが代表的です。どのようなSEOを行うかによって、費用体系は変わるので、解説します。
1. 月額固定型
月額固定型は、決められた金額を毎月支払うスタイルの料金体系です。SEOコンサルティングや外部SEOなどにおいて、月額固定型の料金体系を採用しているケースが多く見受けられます。
月額固定型なら、費用の範囲内で対策を実施してくれるため、余計なコストがかかりません。明瞭な料金体系ゆえにイレギュラーな費用が発生せず、料金の範囲で柔軟に施策を実施してもらえる点が魅力です。
一方、成果の有無にかかわらず料金が発生する点には注意が必要です。極端な話、まったく成果が現れなくても、決められた料金を支払わなくてはなりません。
2. 成果報酬型
成果報酬型は、主に外部SEOを依頼する際に採用されることの多い料金体系です。成果に基づく報酬が発生するスタイルで、施策によって上位表示された日数分の費用を支払います。
成果報酬型のメリットは、成果が得られなければ費用が発生しない点です。成果が現れたときだけ費用を支払う仕組みであるため、余計なコストがかかりません。
デメリットは、どのような施策であれ一定の成果が現れていれば料金を支払わなければならない点です。たとえば、依頼先がGoogleのルールに反した施策を実施し、一時的に上位表示できた場合にも料金を支払わなければなりません。
3. 一括支払い型
一括支払い型は、対応してもらった施策に対し一括で料金を支払うスタイルです。SEOサイト設計コンサルティングやコンテンツSEO、内部SEOなどを依頼する際に一括支払い型を採用しているケースが多く見受けられます。
発生する料金を一括で支払うため、長期的な出費が必要ありません。一方で、依頼する施策によっては費用が高額となり、初期の負担が大きくなるデメリットがあります。
SEO対策を外注化するメリット
SEOにかけるリソースを削減できる
SEOを外注すれば、外部の専門家が作業を担ってくれるため、自社のリソースを割く必要がありません。もちろん、部分的な作業が発生することはあるものの、メインの作業は外注先が担当してくれるため、リソースの大幅な削減が可能です。
自社でSEOを行うとなれば、従業員のなかから担当者を割り振る必要があり、時間と手間もかかります。しかも、従業員数に余裕がないケースでは、SEOに人員を割り振ったことによって本来の業務に支障をきたすかもしれません。
外注であれば、このようなリスクを回避できます。SEOに自社のリソースを使わずに済むため本業へ注力でき、通常業務へ取り組みながらサイトの改善が可能です。
サイトについての総合的な助言を得られる
SEOの外注により、サイトを上位表示するだけでなくさまざまなアドバイスをもらえる点が魅力です。たとえば、売り上げ向上や会員登録を増やすアイデアなどについてアドバイスを得られる可能性が高く、より成果につながりやすいサイトへの改善が可能です。
SEOによってサイトの上位表示が実現しても、そこがゴールではありません。施策によって流入を増やせても、商品やサービスの購入、会員登録、店舗への集客などにつながらなければ対策は失敗です。
優れた外注先であれば、単なる上位表示や流入の増加を狙うだけでなく、そこから先を見据えた提案をしてくれます。CVにつながるキーワードの選定や導線の設計などに対応してもらえる可能性も高く、自社では気づけなかった課題の抽出と改善にもつながります。
Googleのアップデートに対応しやすい
Googleの検索アルゴリズムは、過去幾度となくアップデートが繰り返されおり、現在でも頻繁に行われています。SEOを行っていないと、アップデートが実施されたタイミングで検索順位を大きく下げてしまうおそれがあるため注意が必要です。
SEOを外注していれば、Googleのアップデートへも柔軟に対応できます。専門家ならではの情報網と知識を活かし、スピーディーに対応してくれるため、検索順位を大幅に下げる心配がありません。
SEO対策を外注化する場合の注意点
SEOを外注すれば、専門的な知識とノウハウを有する技術者に対応してもらえるため、高い効果を望めます。ただ、SEOの外注にはいくつか覚えておくべき注意点があるため、ここで把握しておきましょう。
コストがかかる
内製するケースに比べ、コストがかかる点に注意が必要です。どのようなSEOを依頼するのかによって金額は変わるものの、ときに100万円以上の費用が発生するため、慎重に検討しなくてはなりません。
一括支払いの場合、多大な初期費用が発生する点にも注意しましょう。発生する料金を最初にまとめて支払うため、長期的な支払いからは逃れられるものの、多額の初期費用が発生し負担が増加するおそれがあります。
多額の初期費用が発生した結果、運転資金が目減りしてしまい経営を圧迫する、業績が低迷するといったことも考えられます。どの程度の初期費用が発生するのか把握し、一括で支払っても問題ないかどうかを確認しておきましょう。
トラブル回避のため、依頼する前に見積もりを提出してもらうのも大切です。どれくらいの料金が必要なのかを見積書で提出してもらい、施策の内容と併せてチェックしましょう。その際、追加料金が発生する可能性はあるのか、その場合どの程度の費用が発生するのか、前もって教えてもらえるのかなどの確認が必要です。
少しでも費用を抑えたいのであれば、複数社から見積もりを提出してもらい、価格を比較しつつ外注先を選定しましょう。ただ、価格の安さのみを理由に選定してしまうと、低品質な施策しかしてもらえず、かえってコストがかさむおそれがあるため注意が必要です。
自社にノウハウが蓄積されにくい
SEOを外注先に一任するため、自社にノウハウが蓄積されません。ノウハウがないため自社でSEOを行えず、外注先への依頼をやめた途端に上位表示ができなくなるおそれがあります。自社で対策できないため、月額固定型の場合は延々と料金を支払い続けなくてはなりません。
いずれSEOを内製化したいと考えているのなら、SEOに関する技術的なレクチャーをしてもらえるかどうか、依頼を検討している会社へ質問してみましょう。レクチャーを受けられるのなら、専門企業へSEOを依頼しつつ、自社にもノウハウを蓄積できます。
SEOの内製化を進めるのであれば、今から人材の育成にも注力しましょう。SEOに特化した研修やセミナーなども開催されているので、こうしたイベントを利用すれば効率よくSEO人材を育成できます。人材を育成しつつ、自社でも試行錯誤しながらSEOに取り組めば、少しずつノウハウも蓄積できます。
SEO対策業者を選ぶ際のポイント
SEO対策を専門とする業者はいくつも存在するため、どこへ外注すればよいのか分からない、といった企業経営者や担当者も少なくないはずです。業者選びで失敗しないためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
確証の無いことを謳う業者には注意する
根拠を何も示さず、すぐに上位表示できる、確実に流入が増える、といったことを謳う業者には注意が必要です。そもそも、SEOは即効性を期待できる施策ではありません。目に見える成果が現れるまでには一定の期間を要するケースが多くを占めており、長期的な視点で取り組む必要があります。
これは、SEOを理解している人にとっては常識です。それにもかかわらず、SEOを生業とする業者が「すぐ上位表示できる」といったことを口にするのは大問題です。SEOをまったく理解していない、もしくは魅力的なことを口にしてとにかく契約したいと考えている業者である可能性があります。
そもそも、SEOの確実性を担保するのは困難です。Googleのアルゴリズムについては分からない部分も多く、全容は解明されていません。また、アップデートによって従来の手法が通用しなくなるおそれもあるため、確実性の担保は困難です。
また、被リンクの増加を軸にした対策をプッシュする業者にも注意しましょう。このような業者のなかには、Googleのガイドラインに反する手法で被リンクを増やすケースがあります。Googleからペナルティを受け、かえって検索順位を大きく下げるリスクがあるため注意が必要です。
SEO対策の実績があるかどうかを確かめる
SEOの実績がない業者に依頼しても、効果は期待できません。いつからSEOに携わっているのか、どれくらいのクライアントへサービスを提供してきたのか、施策後の成果はどうなのか、といった部分をチェックしましょう。
同業他社への実績も確認しておくと安心です。業者によって得手不得手があるケースもあり、もしかすると自社の業界はあまり得意でない、といったことも考えられます。
業者自身のサイトも要チェックです。SEOを生業とする業者であれば、自社サイトにもSEOを施しているはずです。「SEO 会社」などのキーワードで検索し、上位表示されるかどうかを確認しましょう。
まとめ
SEOは、どのような施策を依頼するかにより、最終的な費用が大きく変わります。また、施策によって料金体系が変わってくることにも注意が必要です。SEOを外注すれば自社のリソースを割く必要がなく、一定の成果を期待できますが、自社にノウハウを蓄積できない、コストがかかるなどのデメリットがあることも理解しておきましょう。確証がないことを口にする業者は信用せず、実績も踏まえて業者を選ぶのも大切です。
この記事の執筆者
ナインメディア編集部